アート

第65回 版画伍人展、展示作品紹介(シルクスクリーン・エッチング・木版)、その他。

・・・版画伍人展とは、様々な異なる版画技法から成る作品を一堂に集めた特徴のある展示会です。

今回は、シルクスクリーン・エッチング・木版で制作された作品32点(小作品12点含め)及び記念展作品6点を展示しました。

更に同じジャンルの中でも制作方法は細かく分かれており、作品ごとにその特徴・違いを楽しんでいただければ幸いです。

尚、本年12月2日~12日、ギャラリー彩にて、第65回記念展の展示会を催します。ご高覧頂ければ幸いです。

第65回 版画伍人展

第65回 版画伍人展は、シルクスクリーン・銅板・木版で制作された作品32点(小作品含め)及び第65回記念展展画集6点を展示しました。

  • 開催場所:愛知県美術館8階ギャラリー J1室。
  • 開催期間:2025/6/11(水)~6/15(日)
  • 開催時間:AM10:00~PM6:00(最終日PM4:00迄)。

展示作品紹介(シルクスクリーン)

杉藤万里子:シルクスクリーン、水性インク

・・・杉藤万里子氏のシルクスクリーンは、透明水彩が持つ特有の重ねによる発色効果がいかんなく発揮された作品が特徴。

今回のモチーフは、作者がピラカンサから受けるインスピレーションを表現しました。お楽しみください。

ピラカンサ・風景の中

ピラカンサ 1

ピラカンサ 2

小作品:シルクスクリーン、水性インク

ピラカンサ・風景

ピラカンサ・心(1)

 

米倉泰民:シルクスクリーン、油性インク

・・・米倉泰民しによる油性によるシルクスクリーンは、グラデーション細い平行線を多用した作品が特徴。

小作品の細やかな美しさと、大作にみる様々な形と想像力に毎回驚きます。

寒気流

回帰線

昔 日

中間点

小作品:シルクスクリーン、油性インク

解禁日

蝕暗示

 

展示作品紹介(エッチング)

鈴木正仁:エッチング(銅板)、モノタイプ

・・・鈴木正仁氏の銅板(亜鉛版)モノタイプの作品は、グラデーションとメデューム・ホワイトガソリンを巧みに使用しています。

色彩豊かな中で覗かせる白の組み合わせが特徴。多色と白の組み合わせた表現をお楽しみください。

Symbol 2501

以下3点は同じ版を用いて、メデュームの違いとプレスの調整で全くべつの作品の様な出来栄えです。

 

Symbol 2502

 

Symbol 2503

小作品:銅板、モノタイプ

小作品は、ドライポイントです。配色を施した版面にホワイトガソリンを散布し、その乾き具合で様々な表現をします。

Gift 401

 

展示作品紹介(木版)

羽多野豊子:木版、エンボス刷り

・・・羽多野豊子氏は、夜空に上がる迫力満点の花火が大好き。全国(長岡・熊野など)の花火大会を楽しんでいます。

厚手の和紙に圧をかけエンボス加工したうえ、油性インクと透明水彩のコラボから成るパワーを感じる作品。

夢ひとよ夜ー 16

夢ひとよ夜ー 19

夢ひとよ夜ー 20

夢ひとよ夜ー 22

小作品:木版、エンボス刷り

ゆめものがたり

ゆめのうきはし

藤崎増男:木版、コラグラフ

・・・藤崎増男氏の作風は、築地塀の持つ瓦と粘土(コラグラフ処理)から成る単純な層をモチーフとした作品が特徴。

近年、単純な層の変化と青と多色の形を組み合わせ、宇宙を思わせる空間を感じる作品にも挑戦中です。

時空25-1

層(解離)

昨年緊急入院を経験(大動脈解離)しました。手術後、病棟で解離したぼろぼろの大動脈を目にしました。

ゴム風船を消防用のホースが覆っていいるようでした。大動脈のほつれた外膜を、今回の版画作品に取り入れました。

時空25-2

小作品:木版、コラグラフ

時25-1

時25-2

吉川房子:木版、板目

・・・吉川房子氏は、透明水彩の最大の特徴である、多色刷りの持つ明るい効果を引き出した作品が特徴。

作品中に繰り返される一見単純な四角・三角形に引き込まれ、我々の持つ古代のDNAが反応します。

私的なー19

 

私的なー20

 

私的なー22

 

私的なー21

小作品:木版、板目

私的なー24

 

その他

第65回記念展、ギャラリー彩

・・・尚、第65回記念展を、ギャラリー彩にて、12月展示会を催します。ご高覧頂ければ幸いです。

杉藤万里子

ピラカンサ・心

鈴木正仁

Gift 402

米倉泰民

未然形

羽多野豊子

夢ひと夜ー21

藤崎増男

層25

吉川房子

私的なー26

出展作家の生徒さんご来場

・・・伍人展に出展の作家は、学校の先生・版画教室の講師が多く、その生徒さん方が連日ご来場いただいており一部紹介します。

米倉先生の生徒さんご来場

編集予定

 

第64回 版画伍人展のまとめ

・・・版画伍人展は、版画の数ある技法をその特徴ある作家と作品をまとめて展示するグループ展です。

前述の展示活動が認められ、1998年に「平成9年度愛知県芸術文化選奨・文化賞」を受賞しました。

現在メンバーは、愛知・三重県在住の版種を越えた各自独特の作風をもつ版画の作家たちです。

各分野で版画の普及と発展に努め、互いに切磋琢磨を図っています。

高齢になり体力的に衰えを感じながらも、毎年新作造りに挑戦し続け、

これからも「伍人展」の伝統を継続し、さらに発展させたいと思っています。

最後までご覧いただき有り難うございました。