・・・3月下旬、所属する絵画クラブの展示会に出展、搬出日に合わせ静嘉堂美術館を拝観しました。
お目当ては、明治生命館「静嘉堂美術館」に展示の国宝「曜変天目」と「岩﨑家のお姫さま」です。
その日は朝方から豪風雨で東京駅から至近距離でしたが、徒歩では無理と判断、タクシーを利用しました。
静嘉堂美術館
・・・静嘉堂美術館は明治生命館(昭和の建築で初めて重要文化財に指定)の1Fにあります。
明治生命館:1934年(昭和9年)3月竣工。岡田信一郎設計、古典主義様式を取り入れた近代洋風建築の名作。
美術館利用案内
・・・当日券が入手できないといけませんので、ネット予約としました(ネット予約お勧めします)。
- 開館時間:AM10:00~PM5:00(金曜日PM6:00)。入館は閉館の30分前まで。
- 休館日:月曜日(祝休日は開館、翌平日は休館)・展示替え期間・年末年始。
- 入館料:一般1500円・大高生1000円・中学生以下無料。
「曜変天目」
・・・美術館内では撮影禁止なので、下記は静嘉堂美術館エントランスの案内板画像です。
実物は、天目の背景を占める紺色が画像より明るめでありながら奥深さもあり見入ってしまいました。
国宝「曜変天目(稲葉天目)」
・・・静嘉堂文庫美術館所蔵の曜変天目(茶碗)は、もと徳川将軍家所蔵であったものが、
三代将軍・家光の時代、春日局を経て、後に淀藩主となる稲葉家へ伝えられた(建窯 南宋時代12~13世紀)。
他の2国宝
今日、世界中で現存する曜変天目(完形品)は、日本にある三碗のみ、
京都・大徳寺龍光院、大阪・藤田美術館所蔵の各一碗と本碗で、すべてが国宝に指定されている。
曜変とは
・・・「曜変」とは、元来「窯変」を意味した言葉とされる。
文献で「星」または「輝く」を意味する「曜」の字が当てられるようになるのは、15世紀前半頃からである。
室町時代の文献『君台観左右帳記』において、「曜変」は、唐物茶碗「土之物」(陶製の茶碗)のうち、
もっとも貴重で高価な茶碗として、分類格付けされてきた。
福建省建窯の焼成品で、これは偶然の所産と見られている(ネット情報)。
岩﨑家のお雛さま
会期(2024/2/17~3/31)
・・・京都で始まった御所人形・・・三菱第四代社長・岩崎小彌太(1879~1945)が孝子夫のために、
京都の人形司・丸平大木人形店(丸平)で誂えた「岩﨑家雛人形」。
岩崎小彌太の還暦を祝し昭和14年(1939)に制作されたました。
色とりどりの着物をまたった子供たちは小彌太の干支にもちなみ、兎の冠をつけ、
宝船に乗る布袋は小彌太、輿に乗る弁財天は孝子夫人に似せたようです、
このほか岩崎家旧蔵の御所人形「お福の花見」「立稚児」ご覧いただけます(キャプション)。
鳥居坂本邸での雛飾り
五世大木平蔵「岩﨑家雛人形」のうち内裏雛。
五世大木平蔵「岩﨑家雛人形」のうち三人官女。
上記パンフレット掲載「三人官女」の美術館での展示状況
五世大木平蔵「岩﨑家雛人形」のうち五人囃子。
五世大木平蔵「岩﨑家雛人形」のうち随身
内裏雛を慶賀する武官である随身は、腰から正面に垂れた平緒で太刀を左腰の帯、
弓矢を携行し、矢を後腰のヤナグイに納めます。黒色の装束が緋色の装束よりも高位の人形です。
鳥居坂本邸での還暦祝賀会
テーブルの中央に数々の豪華な木彫彩色御所人形が並ぶ
五世大木平蔵「木彫彩色御所人形」のうち宝船曳。
上記パンフレット記載の「宝船曳」を見入る観客と館内状況
五世大木平蔵「御所人形 お福の花見」
上記パンフレット側「お福の花見」を見入る観客
上記画像の左側、五世大木平蔵「御所人形 立稚児」
「白拍子松竹梅鶴模様打掛」明治40年個人蔵
重要文化財 野村仁清「色絵吉野山図茶壺」
景徳鎮窯 五彩桜花酒宴図盤
展覧会スケジュール
超・日本刀入門(鎌倉時代の名刀に学ぶ)
会期(2024/6/22~8/25)
かって世田谷岡本にて人気を博した「趙・日本刀入門」が帰って来ました。
東京丸の内で初の刀剣展となる本展では、館蔵の国宝・重要文化財の刀剣9振りと鎌倉時代を中心とする古名刀を特集し、
「カタナの見方」を紹介します。
眼福ー大名家旧蔵、静嘉堂茶道具の粋
会期(2024/9/10~11/4)
信長・秀吉・家康と戦国時代、天下人の手中にあり続けた著名な唐物茶入れである、
「付藻茄子」「松本茄子」をはじめ、大名家伝来の格式ある茶道具を中心に精選し、公開いたします。
皆様に”眼福”を得ていただけるような、静嘉堂茶道具の名品が一堂に会します。
平安文学、いとおかし
国宝「源氏物語関屋澪標図屏風」と王朝美のあゆみ
会期(2024/11/16~1/13)
和歌を書した古筆、源氏物語・平治物語を主題にした絵画や工芸品など、
平安文学をテーマに日本美術をご覧いただきます。
国宝「倭漢朗詠抄 太田切」、国宝 俵屋宗達「源氏物語関谷澪標図屏風」などの名品で平安文学をお楽しみください。
歌舞伎を描くー秘蔵の浮世絵初公開!
豊原国周生誕190年
会期(2025/1/25~3/23)
静嘉堂の錦絵コレクションより、初期浮世絵から錦絵時代、幕末明治まで、役者絵の歴史をたドります。
浮世絵師の中で最多の役者絵を描いた国貞、彼の弟子で明治の写楽と称えられた国周の錦絵も初公開。
錦絵の美をご堪能ください(2024年度静嘉堂文庫美術館 展覧会スケジュールより)。
その他
・・・ネットで曜変天目を探し、丸い小さなスぺ―スに展開する不思議な模様を見ているとその怪しさに引き込まれ、
まるで自分が宇宙に浮遊したように錯覚してしまいます。そして、ふと我に返ります。
そんな中、曜変天目茶碗の再現に挑む!京都の窯元「陶あん」さん~の記事に出合いましたので照会します。
国宝・2椀の曜変天目、貸切観賞ツアー
・・・この春大注目の展覧会!国宝・曜変天目を見に行こうとのツアーを企画しています。
大徳寺龍光院所蔵(MIHO MUSEUM :滋賀、3/21~5/19)
大阪・藤田美術館所蔵(奈良国立博物館:奈良、4/13~6/9)
ツアー参加者限定の美術館の貸し切り観賞プラン(ネット情報:JR東海ツアーズ)。
静嘉堂美術館 「曜変天目」のまとめ
・・・この度は、所属する絵画クラブの展示会に出展、その搬出日に合わせ静嘉堂美術館を拝観できました。
そこで、近年の版画作品に多大な影響を与えている国宝「曜変天目」の現物を拝観できて何よりでした。
また同美術館は国宝「曜変天目」はじめ、岩﨑家に関係の貴重な美術品を含めたの展示を企画されています。
版画制作活動に於きまして今後の上京の祭の楽しみが増えました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。